すくいやすく注ぎやすいレードル

両端の角が鍋に沿ってすくいやすく注ぎ口の役割も果たす、利き手を問わず使えるレードル

グッドデザイン賞2016 ニイガタIDSデザインコンペ2016準大賞 レッドドットデザイン賞2017 受賞

細部まで工夫が詰まった商品が多く存在する「レードル」。この商品の開発が始まった時、まず思い浮かべたのは自宅で愛用していた柳宗理さんがデザインしたレードルでした。偉大な名作に挑むべく、先入観を捨ててチャレンジしました。

様々な商品を観察し、使用時の振る舞いと求められる機能を再考。3Dプリンタを用いて曲面や持ち手の太さ、外形線を0.5mm単位で試行錯誤し、最適な形を導きました。機能性を強調し過ぎる造形を避けて、飽きずに永く使える佇まいを目指しました。

両端の角は注ぎ口の役割を果たし、ゆるやかな曲面が鍋の側面にフィットします。改めて考えてみると、味噌汁やスープなど、料理は違えど食卓において汁物は万国共通です。汁をすくい器に注ぐという行為は、人間にとって普遍的な行為なんだという発見もありました。

計量カップやボウル、オイルポットなど、アノニマスなステンレス器物を手がける一菱金属株式会社の江口広哲さんと共に、左利きのフレンチシェフ秋元さくらさんにアドバイスを頂きながら開発を進め、細部まで検討を尽くすことができました。僕も毎日使っていますが、何年経っても印象が変わらない、愛用品のひとつになっています。

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Client : 一菱金属株式会社(新潟県燕市)
Advice : 秋元さくら(フランス家庭料理レストラン モルソー)
2016