すくいやすく返しやすいターナー

食材を支える最小限の長方形で、利き手を問わず使えるターナー

ターナーには、多様な形状・サイズ・硬さの商品があります。その観察と実験の結果、意外なほど小さな長方形で食材を保持できることがわかりました。「差し込む」「返す」「押し付ける」「押し切る」「盛り付ける」といった振る舞いを確認した結果、様々な手の動きに応じる短く細身のハンドルに、食材を支える最小限の面積の返し部が繋がるミニマルな姿に辿り着きました。

根元を深くプレスし、板厚に頼らず強度を確保したため軽量で、「差し込む」「返す」動作を自然に行えます。細身ながらコシが強いため、食材をしっかりと押し付けたり、押し切ることもできます。使い手が持ち方を自由に選べる形状を目指しました。

計量カップやボウル、オイルポットなど、アノニマスなステンレス器物を手がける一菱金属株式会社の江口広哲さんと共に、左利きのフレンチシェフ秋元さくらさんにアドバイスを頂きながら開発を進め、細部まで検討を尽くすことができました。僕も愛用していますが、お好み焼きなど比較的大きいものも返すことができ、切るところまで一本で済むので重宝しています。

Client : 一菱金属株式会社(新潟県燕市)
Advice : 秋元さくら(フランス家庭料理レストラン モルソー)
2017